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改正入管法等が成立。今後の流れは?~介護等への外国人人材の受入れ加速へ~

改正入管法等が成立。今後の流れは?~介護等への外国人人材の受入れ加速へ~

新制度の詳細は、来年4月までに法務省令で定められる

 2018年12月8日、参議院本会議において、改正「出入国管理及び難民認定法」など13本の法律(以下、改正入管法等)が可決・成立した。一部の規定を除いて2019年4月から施行される。今回の改正をざっくり説明すると、「人手不足とされる業種において、外国人人材の受入れを進めるため、新たな在留資格を創設する」というものだ。その在留資格は、「特定技能1号・2号」。特定技能1号の外国人については、受入れ機関に日常生活上、職業生活上、社会生活上の支援計画の策定・実施を求める。一方、特定技能2号の外国人については、その配偶者・子供に対しても在留資格を付与するとなっている。
 注意したいのは、法文上で具体的な規定が定められていない点が目立つことだ。たとえば、上記の「人手不足とされる業種」は具体的に何を指すのかについて、法案成立後の閣議決定(12月25日)では「介護、建設業、農業、漁業、外食業など14業種」が示されたが、法律自体には明記されていない。あくまで「特定産業分野として法務大臣が指定するもの」という表現にとどまっている。
 特定技能1号・2号の要件についても、条文で示されたのは以下のような内容だ。「特定技能1号……法務省令で定める相当程度の知識または経験を必要とする技能」、「特定技能2号……法務省令で定める熟練した技能」という具合である。「相当程度の知識または経験」あるいは「熟練した技能」とは何かは明確でない。いずれにしても、先の閣議決定を受けて法務省令で定めるという流れになる。
 たとえば、介護分野について、厚生労働(以下、厚労)省側は国会の厚労委員会などで、現行の技能実習生として入国している外国人の3年間の技能実習レベルを「特定技能1号」の要件とする方針を示唆している。だが、最終的には「法務省との協議によって法務省令で定める」(法文備考より)ことに変わりはない。

現行の在留資格や技能実習制度をどのように補完する?

 そうした中で、介護分野での今回の入管法改正の位置づけを整理しておこう。今週のトピックスNO.3554でもふれたとおり、2017年9月から入管法上で在留資格「介護」が創設されている。これは、介護福祉士の養成校に「留学」したうえで同資格試験に合格した場合に適用されるしくみだ。一方、やはり2017年11月からは「現場」での技能実習制度に介護職種が追加されている。現行で、この両制度には継続性はなく、技能実習生の介護現場への受入れも進んでいない。
 では、今回の入管法改正で特定技能1号ができるとどうなるか。仮に「1号→2号」の移行要件に介護福祉士国家試験の合格(養成校以外でも現場実務3年で受験資格が取得できる)を位置づければ、結果的に在留の継続性が確保できることになる。あくまで今後制定される法務省令の中身によるが、厚労省としては介護現場の人材不足の解消に向けた大きな一歩と位置付けているのは間違いない。
 ただし、技能実習生の死亡事例などが社会問題となりつつある中、特定技能1号の受入れで万全の再発防止がとれるのかは今後も問われることになる。
 ちなみに、冒頭で述べた特定技能1号の支援計画・実施等については、12月20日、法務省の検討会で「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」が取りまとめられ、やはり25日の閣議決定で方針が示されている。内容としては、海外における日本語教育基盤の充実等を図るために「日本での生活・就労に必要な日本語能力を確認する能力判定テストを実施」することや、外国人材の多様な相談に応じるための「多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)」を自治体内に整備することなど。さらに、年明けには衆議院法務委員会での閉会中審査も行なわれる予定で、2019年4月に向けて、政府や国会内での動きがさらに慌ただしくなっていきそうだ。


(田中 元 介護福祉ジャーナリスト)
2018.12.27
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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