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平成31年度税制改正の要望事項出揃う

平成31年度税制改正の要望事項出揃う

各省庁等からの要望事項は8月末までに提出

 早いもので、来年度の税制改正に向けた動きがすでに始動している。例年、各省庁や内閣府などの組織からは翌年度の税制改正で検討を要望する項目について8月末までに提出することとなっており、その具体内容は財務省のホームページから確認することができる。
 この要望を受けて、今後、政府税制調査会での議論を経て、11~12月にかけて与党税制調査会での議論で税制改正の内容が具体化・整備され、12月中旬あたりで与党の税制改正大綱の公表、さらにそれが閣議決定されて政府の税制改正大綱として公表され、その後は通常国会にて審議されて3月下旬成立、という行程を経て施行となるのが通常のスケジュールである。平成31年度税制改正においてもこのようなスケジュールで進行する見込みである。

来年の最も大きな税制の変更 ─ 消費税率の10%への引上げも見据えた議論を予想

 2019年10月には消費税率が10%に引き上げられる予定であり、少子高齢化社会の進行を見据えた年金、医療、介護施策(社会保障・税一体改革等の抜本的税制改革等)に対する安定的な財源確保が図られる一方、デフレ脱却のための持続的な成長の維持・促進実現に向けた対策(デフレ脱却・経済再生等)についても継続しての取組みが必要である。そのような基本方針のもとでどのような税制改正の具体内容が決められていくのかが注目される。

資産課税に関する、主な要望事項の具体的内容

 要望事項としてどのような項目が挙げられているのかについて見ていきたいが、当然のことながら広範な税の種類や政策分野にわたって要望事項が挙げられている。たとえば、成長戦略に向けた要望については法人税に関するものが多くみられるが、ここでは資産課税(相続税・贈与税)に関する主なものを中心に確認することとしたい。

 

教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置および結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充及び恒久化

 

 「教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は平成25年4月に施行された特例措置で、30歳未満の受贈者が直系尊属(父母・祖父母等)から教育資金として一括贈与された財産について最大1,500万円までを非課税とすることができる制度であるが、適用期限が平成31年3月31日までの時限措置であるのを恒久措置とすること等の要望が出されている。
 また、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は平成27年4月に施行された特例措置で、20歳以上50歳未満の受贈者が直系尊属(父母・祖父母等)から結婚・子育て資金として一括贈与された財産について、最大1,000万円(結婚に関しては300万円)までを非課税とすることができる制度であるが、適用対象を直系尊属からの贈与に加えて「おじ・おばから甥・姪への贈与」にまで拡大し、あわせて適用期限についても現行の平成31年3月31日までの時限措置を恒久措置とすること等の要望が出されている。
 両制度とも、高齢者層の保有財産の若年層への移転を促進し、少子化対策や若年層への財産移転による消費拡大の効果が期待できるものとして、継続及び拡充が要望されている。

 

個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設

 

 平成30年度税制改正では、中小法人を対象とした非上場株式の相続や贈与に係る納税猶予・免除制度に係る特例創設による円滑な事業承継の実現に向けた支援が行われた。その平成30年度税制改正大綱(検討事項)において「……個人事業者の事業承継に当たっては事業継続に不可欠な事業用資産の範囲を明確にするとともに、その承継の円滑化を支援し代替わりを促進するための枠組みが必要であること等に留意し、既存の特例措置のあり方を含め、引き続き総合的に検討する。」とされており 、平成27年度から5年連続で今回も要望が出されている。個人事業者の事業承継では中小法人のそれとは違って自社株の移転の問題はないものの、事業用資産(土地・建物・機械等)の引継ぎによって発生する相続税や贈与税の負担が円滑な事業承継の支障となるケースもあり、税制上の支援によってさらなる個人事業主の円滑な事業承継実現を図るものと考えられる。
 また、「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予・免除制度」に関して、先代経営者が株式等につき信託を設定していた場合で信託受益権を相続等によって取得した場合についても、本税制の適用を受けられるよう見直しを行うよう要望が出されており、今後、事業承継における信託の活用拡大を見込んだ要望となっている。


その他、特例継続に関する要望について

 法人税分野においては、平成31年3月31日までに開始する事業年度までの特例である、「中小企業者等の法人税率の特例(年800万円以下の所得金額に適用される税率について、本則19%のところ租税特別措置15%を適用)」については、適用期限の2年延長の要望が出されている。

 平成31年度税制改正における本格的議論は始まったばかりである。今後どのような方向で進んでいくのか、また、来年10月の消費税率10%への引上げとの関わりでどのような対応が検討されるのかについて、大きな関心が寄せられることになると考えられる。

参考:「平成31年度税制改正要望」(財務省ホームページ)


2018.10.29
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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