保険セールスのための情報サイト

検索ボタン
 >  > モデルの空洞化? ―高齢社会における金融サービスのあり方― 中間的なとりまとめ(金融庁7月3日公表より)

モデルの空洞化? ―高齢社会における金融サービスのあり方― 中間的なとりまとめ(金融庁7月3日公表より)

モデルの空洞化? ―高齢社会における金融サービスのあり方― 中間的なとりまとめ(金融庁7月3日公表より)
 金融庁の改革とともに、従来の検査・監督のあり方を見直し「金融処分庁」から「金融育成庁」へ考え方の転換を図るという、同庁の新方針が7月に発表されました。金融機関が直面する問題は、国際的なリスク管理の流れとともに、市場の少子高齢化、業務のICT化、収益構造の変化等への対応であり、本来的なリスク管理体制のもと企業文化・経営戦略と一体となった新しい事業展開が急務となっている現状がうかがわれます。

高齢社会がもたらした課題

 金融庁が7月3日に公表した「高齢社会における金融サービスのあり方」の中間とりまとめでは、現状分析を社会的なリスクに結びつけながら重要課題を把握し、「金融業はどのような貢献ができるのか」について検討を進めるという金融行政方針に沿った考え方が整理されています。課題は、まず、長寿社会の生活資金は自己蓄積資産を超えて不足額が増大する不安から節約に重きが置かれるとともに、判断能力の低下等により高齢者の保有資産(住宅中心)は取り崩しがはかどらないこと。そして、退職世代等では少子化(晩婚)や世帯構造の変化と同時に、再就労の一般化・単独世帯の増加と健康問題(親と自分の介護)・持家住み替えやリフォーム等、ライフスタイルは多様化がより進展していくこと。これらによって従来の「モデル世帯は空洞化」しているという訳です(注1)。また、高齢者の高額金融資産の引き継ぎや退職者の居住地の利便性による選択等も課題にあげられています。

発想の転換が求められる金融機関

 本テーマの中心は、これに対応すべき「高齢社会における金融サービスに関する基本的な考え方」であり、以下の3点にまとめられています。

(1)
 
画一的な業者起点から多様な顧客起点のサービスへの転換であり、健康・保有資産・家族状況等の個別に異なる多様なニーズへの対応を、デジタル化(AIやビッグデータの活用)によりきめ細かく提供する仕組みを作る

 

(2)
 
非金融(生活福祉)ニーズの増加により垣根を越えた地域サービス主体との連携を図り、知見(金融老年学(フィナンシャル・ジェロントロジー)・金融リテラシー)を活用する

 

(3)
 
老後の収入支出および提供商品サービスの「見える化」によって、顧客の選択メカニズムとそのアドバイスの担い手育成を実現する

 

 
これらの「検討の視点」については、具体的な項目レベルの解説(注2)を参照ください。

 

 
(1)は金融機関が従来追求してきた効率化に対して「非効率」への挑戦であり、(2)は同様に「不採算性」への挑戦、そして(3)は複雑化した実情の仕組みの「簡素化(効果的資産形成・有効活用と顧客保護)」として発想の転換を要求しているかのようです。

 生保業界においても、現状の生活設計の基本となるライフサイクルモデルの捉え方、現物給付の実現性、提案方法や情報開示(手数料含)の方向性等をこれらの視点から再確認していく必要があるのではないかと思われます。そして、次の段階へ貢献できるサービスとして、高齢社会で社会保障を相互補完する「新たな顧客志向の保障サービス」の開発が求められてくることも大いに予想されます。


<出典資料>
金融庁「高齢社会における金融サービスのあり方(中間的なとりまとめ)」7/3公表

2018.8.23
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

関連記事

勤務の後の休息時間確保は、事業主の努力義務

勤務の後の休息時間確保は、事業主の努力義務

改正入管法等が成立。今後の流れは?~介護等への外国人人材の受入れ加速へ~

改正入管法等が成立。今後の流れは?~介護等への外国人人材の受入れ加速へ~

年末年始休暇に年休ちょい足しのススメ

年末年始休暇に年休ちょい足しのススメ

増加するサイバー攻撃に注意!「ランサムウェア」への対策は?

増加するサイバー攻撃に注意!「ランサムウェア」への対策は?

ランキング

FPSクラブ

おすすめ