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終末期等の医療にかかる「ACP」とは何か?

終末期等の医療にかかる「ACP」とは何か?

ACPにかかる一般向けリーフレットも

 厚労省のHP上で、「自らが望む人生の最終段階における医療・ケア」と題したページが開設されている。そこからダウンロードできる一般向けのリーフレットがある。タイトルは、「もしものときのために~自らが望む、人生の最終段階の医療・ケアについて話し合ってみませんか~」というものだ。
 誰と話し合うのかといえば、「周囲の信頼できる人たち」。家族はもちろん、ここには自身にかかわる医療・ケアチームも含まれてくる。そして、こうした人々とともに「繰り返し話し合い、自身が望む医療・ケアについて共有する取組み」のことをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)という。
 リーフレットによれば、命の危険が迫った状態になると、約7割の人が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われている。そうした場合、「前もって」信頼できる支援者と思いを共有することが重要で、その共有に向けたプロセスを示したものがACPという位置づけだ。
 ちなみに、2018年3月には、医療・介護従事者である専門職向けに上記のプロセスにかかる最新のガイドライン(改訂版)も示されている。そのうえで、4月からの診療・介護報酬改定では、看取りなどにかかる報酬に関して、「ガイドラインに沿った取組み」が算定要件に登場した。ただし、主人公となるのはあくまで患者・利用者本人であり、専門職が進めるプロセスにおいても「本人の意思決定」が軸となる。つまり、ACPを進めるうえでは一般の人々への啓発および情報提供が大前提であり、今回のリーフレット発行に至ったという流れになる。

今からできるACPの5つのステップ

 では、本人視点に立ったとき、具体的にACPをどのように進めればいいのか。その点をわかりやすく解説したのが、リーフレットと同じページに掲載されている神戸大学が作成したACPにかかるパンフレット(2017年度厚労省委託事業として作成したもの)だ。
 ここでは、5ステップが示されている。

 
(自分が大切にしていることは何か)考えてみる

 

 
(いざという時に自分の代わりに医療やケアについて話し合ってほしいなど)信頼できる人は誰かを考えてみる

 

 
(現在、病気療養中の病状や今後の課題、必要な治療・ケア等について)主治医に質問してみる

 

 
(「治癒が難しい病気」などになった場合のことを考えつつ)信頼できる家族・友人等と話し合ってみる

 

 
(④の話し合いの内容を)医療・介護従事者に伝える

 

という具合である。

 こうしたACPのような考え方が整理されてきた背景として、わが国が間もなく迎える未来状況があることは言うまでもない。2025年には団塊世代が全員75歳以上を迎える中、認知症など「自らの意思決定が困難」という状況で人生の終末期を迎える人々も増えることになる。認知症の人の意思決定をいかに支援するかというガイドラインもできているが、一方で「前もって自分自身で考えておく」という啓発も必要な時代になっているわけだ。
 もちろん、「自身の終末期の医療やケア」など「考えたくない」という人もいる。リーフレットでは、そうした人への十分な配慮も必要と記している。そうした点も含め、身近での議論がますます活発になっていきそうだ。

 

  1. 参考:厚生労働省HP 自らが望む人生の最終段階における医療・ケア


(田中 元 介護福祉ジャーナリスト)
2018.8.9
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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