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協会けんぽの「インセンティブ制度」とは?

協会けんぽの「インセンティブ制度」とは?

47都道府県支部がランキング付けされる

 現在、協会けんぽの健康保険料率は47ある都道府県支部ごとに設定されている。この保険料率について、医療保険制度改革骨子や未来投資戦略2017等をふまえた新たな制度が平成30年度からスタートしている。それが「インセンティブ(報奨金)制度」というもので、今回はその概要を紹介することとする。
 この制度は、協会けんぽの被保険者及び事業主の取組に応じて、インセンティブ(報奨金)を付与し、それを各支部の「健康保険料率」に反映させるというもの。インセンティブが付与される対象は、協会けんぽが拠出している後期高齢者支援金(後期高齢者の医療に対する現役世代からの支援金)に係る保険料率(平成29年度は全支部一律2.10%を拠出)である。今年度の取組結果は翌々年度に反映されることから、平成32年度から47支部はランキング付けされることになる。ランキング上位過半数に該当した支部にはインセンティブ(報奨金)が付与され、これにより保険料率の引き下げが行われる仕組みだ。インセンティブの財源には新たに全支部の保険料率の中に盛り込まれた0.01%分が当てられ、これが上位過半数の支部に得点数に応じて配分される。

 

協会けんぽホームページより

保険料率引き下げのカギを握る5つの指標

 インセンティブ制度の指標には、①特定健診等の受診率、②特定保健指導の実施率、③特定保健指導対象者の減少率、④医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の受診率、⑤後発医薬品の使用率の5つがある。
 要するに加点されるためには、①は被保険者のうちの生活習慣病予防のための健診を受診した人の割合が高い場合、②は健診結果で「生活改善が必要」と判定された人のうち協会けんぽの特定保健指導を受けた人の割合が高い場合、③は「生活改善が必要」と判定された人の数自体が減った場合、④は生活習慣病予防健診で血圧または血糖値において「要治療者(再検査含む)」と判定された人のうち医療機関を受診した人の割合が高い場合と、いずれも生活習慣病の発生を予防する取り組みを推進していることがわかる。
 ⑤についてはジェネリック医薬品の購入割合が高いと評価されるわけであるから、①~⑤のいずれも医療費の抑制を目的としたものであり、そのモチベーションとしてインセンティブ制度が導入されたということだ。なお、平成31年度以降は、前年度からの増減率(件数)も加味したうえで評価されるという。
 協会けんぽの健康保険料率が多少増減したところで、被保険者や事業主にとってメリット・デメリットなんてたいしてないと思う人もいるかもしれない。協会けんぽのホームページによると、以下のような試算(イメージ)を公表しているのでご覧いただきたい。
 例えば、保険料率10.0%の支部の場合(保険料率は労使折半前の金額)、標準報酬月額が28万円だとすると、月額の保険料は2万8,000円(=28万円×10.0%)だが、インセンティブ制度による報奨金で保険料率が0.1%減算になれば、保険料は2万7,720円(=28万円×9.90%)に下がり、月ではわずか280円だが、年間だと3,360円も保険料が下がることになる。仮に従業員が30人いれば(全員が同じ給料ということはあり得ないが)10万円超の節減が可能になるわけだ。
 協会けんぽは、都道府県支部ごとに分かれていて現在全国で約200万事業場、被保険者数約2,000万人というとても巨大な組織となっており、被保険者は中小企業で働く人たちが中心となっている。このような制度導入は地域格差が広がるおそれもあることから、今後の方向性も含めてその仕組みを被保険者や事業主も理解しておくべきところである。

参照:協会けんぽ「インセンティブ制度」


(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長)
2018.8.6
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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