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骨太の方針2018案、介護給付のスリム化と負担増に拍車

骨太の方針2018案、介護給付のスリム化と負担増に拍車
 2018年6月5日、内閣府の経済財政諮問会議で「経済財政運営と改革の基本方針2018」(仮称)の原案(以下、骨太の方針2018案)が提示された。政府は、2025年でのプライマリーバランス(PB)の黒字化を目指しているが、その直前の22年から団塊世代が75歳以上に入り始め、社会保障関係費の急増が見込まれている。そこで、今回の方針案では2019~21年度を「基盤強化期間(仮称)」と位置づけ、持続可能な経済財政の基盤固めを行なうとしている。

伸長する介護給付費に新たな抑制策

 社会保障関係費では、年金、医療が大きな比率を占めているが、人口の高齢化等を受けて、伸長が特に目立つのが介護保険による給付である。この給付削減については、すでに「サービス利用時の自己負担増」が導入されている。たとえば、介護保険の給付を受ける場合の自己負担については、15年8月から「65歳以上の一定以上所得者(原則として年間所得160万円以上)」に2割負担が導入された(それまでは原則として一律1割負担)。そして、18年8月からは、2割負担者のうちさらに「所得が高い65歳以上(年間所得220万円以上など)」に3割負担が導入される。
 こうした「収入に応じた負担増」に加え、骨太の方針2018案では、新たな負担増と給付のスリム化に向けた提言がなされている。それが、「介護のケアプラン作成、多床室室料、介護の軽度者への生活援助サービスについて、給付のあり方を検討する」というものだ。これだけでは具体的な内容は不明だが、同案の「たき台」となっている財務省の審議会(財政制度等分科会)の資料を見ると、「何が行われようとしているのか」が浮かび上がる。

現行「無料」のケアプラン作成に自己負担?

 まず、上記のうちから「介護のケアプラン作成」について取り上げよう。周知のとおり、在宅で介護を受ける場合には、原則としてケアマネジャーによるケアプラン作成が必要となる(利用者による自作も可能だが、ほとんどはケアマネジャーが手がけている)。そして、そのケアプラン作成およびサービスの調整・手配などにかかる費用は、他サービスと異なり100%介護保険からの給付となる。つまり、ケアプラン作成などの自己負担はゼロである。
 このしくみについて、財務省提言では、「ケアマネジメントの質の向上を図る観点から利用者負担を設ける」ことが示された。他の介護サービスと同じく1~3割負担とするのか(例.要介護3なら1割負担で月1400円程度)、別途定額負担とするのかはこれからの議論となるが、利用者にとっては負担増となるのは間違いない。実は、このケアプラン作成にかかる自己負担については、17年の介護保険法改正前の審議会議論でも課題にあげられていた。だが、「利用者負担を導入すればサービスの利用抑制につながる危険がある」などの反対意見が根強く、見送られた経緯がある。

老健等多床室や軽度者の生活援助にもメス

 この他の「多床室(個室以外)室料」については、一部の介護保険施設(介護老人保健施設など。特養ホームは15年度改定で一定以上所得者に自己負担が設けられた)では、居住費のうちの光熱費を除いた「室料」の自己負担は発生していなかった(別途、サービスにかかる1~3割負担、食費の自己負担は発生する)。財務省提言では、ここにも自己負担を導入しようというものだ(なお、現行の特養ホームの場合、低所得者には補足給付によって自己負担は発生していない)。また、軽度者の生活援助サービスについては、介護給付から外して(介護予防の訪問・通所介護と同じく)市区町村の地域支援事業に移行させるというビジョンが示されている。
 骨太の方針2018案の具体化については、今後厚労省の審議会での議論に委ねられることになる。


(田中 元 介護福祉ジャーナリスト)
2018.6.28
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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