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中小企業白書に学ぶ、人材の定着や育成に効果がある取組

中小企業白書に学ぶ、人材の定着や育成に効果がある取組

「能力や適性に応じた昇給・昇進」が重要

 働き方改革に着手する企業が増える一方で、人材獲得競争が激しくなり、採用に苦戦して人手不足で困っているという中小企業経営者の声を聞く機会が増えている。いくら採用に力を入れても、採用した人材がその会社に定着し、成果を出せる人材に育てあげなければせっかく採用しても意味がないわけだから難しいところだ。
 人材の定着と育成に関しては、中小企業庁の「2017年版 中小企業白書」のデータが参考になる。例えば、「人材の定着や育成のために中小企業が有効だと考える取組」について、人材確保成功企業、人材確保不成功企業それぞれの回答を比べてみると、若干の順位の入れ替えはあったものの、おおむね同様の結果となった(第2部第4章第2節「2 中小企業における人材の定着」P.434 第2-4-24図参照)。
 これは、人材の定着や育成に向けて自社で行っている取組の中で、有効だと認識している項目を人材確保の成否別に見たもので、人材確保成功企業、人材確保不成功企業とも、「能力や適性に応じた昇給・昇進」を挙げている企業が最も多かった。

 

 

 人材確保成功企業が挙げた上位7つの回答は下表のとおり。

 

1 能力や適性に応じた昇給・昇進 33.0%
2 成果や業務内容に応じた人事評価 29.0%
3 時間外労働の削減・休暇制度の利用促進 29.0%
4 職場環境・人間関係への配慮 28.7%
5 研修・能力開発支援 25.6%
6 他社よりも高い賃金水準の確保 23.4%
7 作業負担の軽減や業務上の安全確保の徹底 21.8%

 

 一方で実際に就業者側に同じ質問をしたところ、中核人材の場合、「他社よりも高い賃金水準の確保」、「時間外労働の削減・休暇制度の利用促進」、「家賃・住宅に係る補助・手当」、「育児・介護に係る補助・手当」については、特に若年層になるほど重視する傾向があることが明らかとなった(同書P.432~434参照)。企業が考える取組と就業者が考える取組は必ずしも一致するとは限らないことは理解しておくべきだろう。


「職場環境・人間関係への配慮」への意識の差が大きい

 ちなみに、この調査における人材確保成功企業とは、「直近3年間の採用活動で期待どおりの人数・能力の人材を採用できており、かつその人材がおおむね3年以上定着している企業」のことで、人材確保不成功企業は「同期間に期待どおりの人数・能力の人材は採用できたが、その人材が3年以上定着しなかった企業」及び「同期間に期待どおりの人数・能力の人材を採用できなかった企業」のことを指している。
 興味深いのが、成功企業と不成功企業で有効性の認識に大きな差があった項目で、「職場環境・人間関係への配慮」については、成功企業のほうが7.2ポイント高かった。職場環境や職場における人間関係の良し悪しが若年人材の採用・定着に大きな影響を及ぼしている可能性もあるので、心当たりがあるなら早急に対策を打ちたいところだ。
 会社の独自性や社風へのこだわりも大切だが、新たに入社してくる人たちには通じない、理解できない古い社内ルール・慣習などがはびこっていて、それらが彼らの働く意欲を妨げている可能性もあるのではなかろうか。成功している企業の取組に学び、他社と比較して大きく違う点、特に給与水準や時間外労働の削減・休暇制度の利用促進については期待に応えられるよう改善することをお勧めする。

参照:「2017年版 中小企業白書」第4章


(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長)
2018.6.4
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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