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健康保険証の氏名表記、LGBT従業員に柔軟な対応

健康保険証の氏名表記、LGBT従業員に柔軟な対応

LGBTの従業員にはどのように対応したらよいか?

 近年、従業員の多様性や多様な働き方への対応が企業に求められていますが、その中でもどのように対応してよいのかわからないと、戸惑いの声が上がっているのがLGBT従業員への対応です。
 「LGBT」とは、Lesbian(女性の同性愛者)、Gay(男性の同性愛者)、Bisexual(両性愛者)、Transgender(性同一性障害など心と体の性が一致しない人)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。
 LGBT従業員に対しても職場環境や労務管理に配慮するだけではなく、働きやすい職場を作ることが企業に求められています。
 例えば、男性として就業していた従業員が性同一性障害を表明し、今後は女性として扱うことを企業に求め、女性用トイレを使用したいとの申し入れがあったとします。企業としては本人の意思を尊重したいと考えても、現場の女性従業員からは外見は男性の従業員が女性トイレを使うことに抵抗を覚える人も多いことでしょう。このような場合、本人の意思や女性従業員の意見も聞いてじっくり検討することが大切です。それでも女性従業員の理解が得られない場合は、費用やスペースの問題はありますが、誰でも利用できる共同(多目的)トイレの設置なども解決策の1つとなります。

性同一性障害の場合は希望する通称名の記載が可能に

 では、採用した従業員から、健康保険の被保険者証に戸籍上の本名とは異なる通称名を記載したいという申し出があったとしたらどうしたらよいでしょうか。このような事例は実際にあり、ある国民健康保険組合から厚生労働省に照会がありました。これに対し、「保険者の判断による表記方法で差し支えない」旨の事務連絡がなされたそうです。そして現在では、下記のような通知が厚生労働省から都道府県や医療保険者に出されています。

  性同一性障害を有する被保険者又は被扶養者から、被保険者証において通称名の記載を希望する旨の申し出があり、保険者がやむを得ないと判断した場合には、被保険者証における氏名の表記方法を工夫しても差し支えない。 

 
しかし、被保険者証は本人確認書類として利用されることが多いことから、被保険者証に通称名を表記する際は、裏面を含む被保険者証全体において「戸籍上の氏名を確認できるようにすること」が求められています。

 具体的には、表面の氏名欄は通称名でも裏面の備考欄に「戸籍上の氏名は○○」と記載する方法や、戸籍上の氏名に続けて「通称名は○○」と併記する方法などが考えられます。
 この取扱いは性同一性障害を有する方のみが対象ですが、性別表記自体の変更については認められていません。
 なお、性同一性障害以外の者が身分偽称目的等で通称名を申請することもありえることから、性同一性障害の真偽を判断するために、「医師の診断書等の性同一性障害を有することを確認できる書類及びその通称名が社会生活上日常的に用いられていることが確認できる添付書類」を申請者に提出してもらい、保険者がそれを確認することが求められています。
 電通の調査によると、現在では約13人に1人がLGBT層と言われています。今後ますますLGBTにも働きやすい環境整備が必要になることでしょう。


(半田 美波 社会保険労務士 みなみ社会保険労務士事務所 代表、株式会社サンメディックス 代表取締役)
2018.5.24
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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