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オンラインによる診療、急速拡大の時代へ

オンラインによる診療、急速拡大の時代へ

診療報酬上にオンライン診療への評価誕生

 テレビ電話での問診や通信による患者のバイタルチェックが日常的に行われる──そんな時代が目の前に迫りつつある。情報通信技術を駆使してのオンライン診療に、報酬上の評価が設けられたことによるものだ。
 ここで述べるオンライン診療とは、「リアルタイムでのコミュニケーションが可能なオンラインシステム等の通信技術を用いた診察や医学管理」を指している。その具体的な評価とは、2018年度の診療報酬改定で設けられた「オンライン診療料」や「オンライン医学管理料」。さらに、訪問診療においても「オンライン在宅管理料」が誕生している。
 たとえば、医療機関が「オンライン診療料」を算定する場合に何が行われるのか。まず、医療機関は「対面による診療」と「オンラインによる診察」を組み合わせた療養計画を作成する。その計画に沿って、その医療機関に設置された情報通信機器を用いて診察を行った場合に算定できるというものだ。ちなみに、今改定に合わせる形で、2018年3月には厚労省が「オンライン診療の適切な実施に関する指針」も示している。
 労働力人口の減少によって将来的に医療従事者の不足も懸念される中、医療拠点の再編も進むことが考えられる。そうなると、患者の通院等のアクセスやへき地などへの訪問診療が困難になることも予想される。そうした時代を見すえた場合、オンライン診療の普及は欠かせない課題となってくる。

対面診療の原則は変わらずとも大きな一歩

 ただし、このオンライン診療が報酬上の評価を受けるまでは、さまざまな経緯があった。特に「医師法第20条(無診察診療の禁止。つまり、医師は自ら診察しないで治療をしてはならないことを明記したもの)」との兼ね合いについては、1997年の厚労省通知による法解釈の明確化に始まり、2018年の「情報通信機器を用いた診療に関するルール整備」に至るまで20年以上が経過している。
 まず1997年の厚労省通知による法解釈だが、これによれば「遠隔診療はあくまで直接の対面診療の補完」としたうえで、患者の心身の状況に関して「直接の対面診療に代替しうる程度の有用な情報を得られる」場合は、「ただちに医師法第20条等に抵触しない」としている。これによってオンライン診療への道が開かれたわけだが、その後も「対面診療が原則」という点は変わらず、上記の「(オンライン等の遠隔診療によって)有用な情報が得られない場合は医師法違反になりうる」(2016年)という通知なども出されてきた。
 今回のオンライン診療料でも、対面診療を原則するという点で以下のような条件が付されている。①オンラインを用いて診察をする医師は、対面による診療を行っている医師と同一であること。②初診から半年の間は毎月同一の医師による対面診療を行っていること。③その後も対面による診療の間隔は3か月以内とすることという具合である。
 恐らく、この対面診療の原則は根本となる医師法が改正されない限りは大きく動くことはないと思われる。とはいえ、「オンライン診療」が診療報酬上で明確に評価されたということは、大きな一歩には違いない。今後の診療報酬改定で「オンライン診療」にかかる基準がどう変わっていくのか。まずは地域の中核病院の動向や中医協による検証に注目したい。

参考:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 第389回 資料「2018年2月7日個別改定項目について」


(田中 元 介護福祉ジャーナリスト)
2018.5.17
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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