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健康保険の扶養に関する基本事項

健康保険の扶養に関する基本事項

税務上の「扶養」とは分けて考える

 一般的に「扶養」という言葉を聞いただけでは、それが税務上の扶養なのか健康保険上の扶養のことを言っているのかはわからないことが多い。混同してしまっている会社の経営者及び従業員がたくさんいるのも事実であるが、内容は全然違うので今回は健康保険上の扶養についてその範囲と要件についてまとめる。

 最近は共働き夫婦も増えて「子供の扶養をどちらに入れるべきか?」とか「別居している親を扶養に入れたい」とか「海外に住む息子を扶養に入れたい」などの相談も多く、とても奥が深い。なお、今回は中小企業が多く加入している協会けんぽでの被保険者の被扶養者手続きを前提とする。


被扶養者の範囲は?

 被扶養者の範囲については下記のとおりで、同居要件があるかないかで大きく分かれる。

 ■ 被扶養者の範囲

1.被保険者と同居している必要がない者

 
配偶者

 

 
子、孫および兄弟姉妹

 

 
父母、祖父母などの直系尊属

 

 

2.被保険者と同居していることが必要な者

 
上記1以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)

 

 
内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

収入要件は60歳未満か以上かで分かれる

 被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていることが大原則である。さらに収入要件を満たしていることが必要であり、ここは手続きをする際に添付書類を求められたりすることが多いので面倒である。最近は働き方も多様化し、ライフスタイルも変わり、収入の種類もたくさんあり、より複雑になっていることが扶養認定の判断を難しくしている要因でもある。年金収入も老齢年金だけでなく非課税の障害年金や遺族年金を受給していることもあるので、その確認は重要になる。

 ■ 収入要件

年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)
かつ

 
同居の場合:収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満

 

 
別居の場合:収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

別居している58歳の母の扶養認定は?

 まず母ということであれば、被扶養者の範囲としては別居していても生計維持していればいいということになる。次に重要なのは母の年齢で、58歳ということであれば年収見込が130万円未満であればいいということになる。これは扶養に入れようとするそのタイミングから将来1年の見込であって1月から12月というサイクルではないのでここも注意したい。たとえば年間138万円分の遺族年金をもらっている、あるいはパート収入で月額108,333円以上あるような場合、扶養にはできない。また収入はクリアしても別居の場合であれば仕送り額が関係してきて、扶養に入れたい人の収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満ということも必要なので押さえておこう。

 最後に手続きについては、被扶養者異動届を事務センター(管轄の年金事務所)に事業主が提出することになっている。保険証の発行が関係していることもあり、法律上では事実が発生してから5日以内に手続きをしなければならないことになっているのであらためて事業主はその点も意識すべきである。


参照:日本年金機構「従業員が家族を扶養にするときの手続き」



(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長)
2018.4.16
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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