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民法(相続法)改正法案、国会に提出

民法(相続法)改正法案、国会に提出

今国会での成立を目指す

 民法(相続法)の改正法案が、去る3月13日に国会に提出された(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案)。これまで時間をかけて討議が重ねられてきたが、民法(相続関係)部会が1月に取りまとめた民法(相続関係)等の改正に関する要綱案の内容が盛り込まれており、いよいよ実現に向けて動き出すことになる。そこで、この機会に改正内容の主なものについて、その概要を確認することとしたい。

「配偶者居住権」の創設

 配偶者が被相続人と同居していた自宅の相続に関して、配偶者が自宅を相続できずに引き続き居住できないケースや、配偶者が自宅を相続してもその自宅も含めた財産額が相続分となるため、他の相続人の取得財産とのバランスから、配偶者が遺産分割で取得できる自宅以外の財産が減少してしまうというケースが発生して来た。今回の改正法では「配偶者居住権(短期・長期)」が創設され、たとえ配偶者が自宅の所有権を相続しなくとも、相続発生時点で被相続人の住居に無償で居住していた場合は、自宅の所有権を取得した者に対して、定められた期間において無償で居住し続ける権利を有することになり、また、居住のための自宅の所有権相続が必要なくなることで、自宅以外の財産の取得もしやすくなる。

居住用不動産の遺産分割対象からの除外

 婚姻期間が20年以上の夫婦間で行われた居住用の不動産の贈与や遺贈については、特別受益の対象外となって遺産分割時の持戻しの対象外とされる。税法には「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」の制度があり、婚姻期間が20年以上の夫婦間において贈与される居住用不動産や取得のための資金について、贈与税額計算の際に基礎控除110万円とは別に最高2,000万円の特別控除の適用が認められているが、この制度を活用する際には民法上の特別受益の取扱いに対する考慮が必要であった。このたびの改正によって居住用不動産の贈与については考慮する必要がなくなるので、その控除制度の適用を活用した生前贈与が増加するかもしれない。

預貯金債権の仮払制度の創設

 預貯金債権の取扱いについても議論が重ねられてきたが、改正案において以下のようにまとめられたようだ。

 (1)共同相続された預貯金債権の権利行使
 相続開始時の債権額の原則3分の1に当該共同相続人の法定相続分を乗じた金額を上限に、相続人単独での権利の行使が可能(ただし、当該共同相続人が遺産分割によって取得した財産の一部とみなす)。

 

(2)遺産分割の審判・調停の申立てのあった場合
 相続財産に含まれる債務の弁済や、相続人の生活費への充当などの理由によって必要であると認められる場合、その預貯金債権からの仮払いを家庭裁判所は認めることができる(ただし、他の共同相続人の利益を害する場合は除く)。


遺留分の算定方法の見直し

 相続人に生前贈与された財産については、現行法においては贈与されたタイミングにかかわらず全ての財産が特別受益となり、遺産分割対象財産に持ち戻される取扱いであったが、改正法においては「相続開始前10年間に贈与されたもの」に限定されることとなる(相続人以外への贈与財産については相続開始前1年以内を特別受益とする取扱いは現行どおり)。つまり、相続開始前10年超の相続人への贈与財産は遺産分割には関係しないこととなり、相続対策における生前贈与活用のあり方にも変化が見られるかもしれない。

相続人以外の者の貢献の考慮

 相続人以外の親族が被相続人に対して無償で施した療養看護やその他の労役に報いるための制度が現行法にはなかったことを受けて、今回の改正において「特別寄与者:被相続人に対して無償で療養介護その他の労役の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族」は、相続開始後に相続人に対して特別の寄与に応じた額の金銭の請求が認められることとなった。また、当事者間の協議が調わない場合等においては、特別寄与者は協議に代わる処分について、家庭裁判所に請求することが認められる。被相続人の子の配偶者が被相続人に対して行った献身的な貢献について、制度上においても報いることが可能となる。

  その他にも、遺言制度の見直し(自筆証書遺言の自筆要件の撤廃や保管制度創設等)、遺言執行者の権限の明確化、遺留分減殺請求権に関する見直しなどに関して法改正が行われるようであり、その施行時期については各項目によって違いがあり、公布日から起算して6カ月、または公布日から起算して1年~2年を超えない範囲で政令によって定める日等とされている。今後、これらの具体的な取扱い方法などについて政省令などで整備されていくと思われるが、本格スタートまではまだしばらく時間があり、その間、新しい相続のあり方や対策などについて、想定や検討を行っておくことが重要となりそうだ。


参考:民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案(法務省ホームページ)


2018.3.29
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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