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2018年度診療報酬改定で「入院時」からのしくみも変化

2018年度診療報酬改定で「入院時」からのしくみも変化

「入院時」からの支援に報酬上の新評価が

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で、2月7日、2018年度の診療報酬改定案が諮問・答申された。大きなテーマとしては、かかりつけ医機能の強化や訪問診療・看護の推進、これからの(在宅を中心とした)看取りのあり方などがあげられる。だが、こうした取組みのさらに上流(つまり、治療・療養のための入退院)の部分にも着目しないと、患者にとってのこれからの医療の大きな流れはなかなか見えてこない。そこで、ここでは入退院支援の部分に着目してみたい。
 前回の2016年度改定で、退院支援加算(それまでの退院調整加算から要件を追加したうえで高単位区分を設置)が誕生し、手術等の入院治療から間もないタイミングでも退院を加速させる支援策が図られた。今回の改定では、早期の在宅復帰をさらに後押しするべく、もう一段上流、つまり「入院時」からの支援強化を図っている。たとえば、「退院支援加算」の名称が「入退院支援加算」に変更になった。あくまで名称の変更だが、このあたりも今回の施策の方向性を表わしている。
 この名称変更に加え、「入院」にかかるタイミングを特にとりあげた「入院時支援加算」というものが誕生した。これは「自宅等(他の医療機関から転院する患者以外)から入院する予定の患者」を対象としたもので、算定に際しての留意事項が定められている。具体的には、入院中の治療や入院生活にかかる計画に備え、患者の入院前に一定の支援を行うというもの。その内容とは以下のとおりである。

  1. 身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報を把握すること
  2. 褥そう(床ずれ)に関する危険因子の評価
  3. 栄養状態の評価
  4. 持参薬の確認
  5. 入院中に行われる治療・検査の説明
  6. 入院生活の説明
  7. 退院困難な要因の有無の評価

入院前からの医療とケアマネの連携がカギ

 見てわかるとおり、⑤⑥というのは、入院にかかるオリエンテーションであり、従来でも病院によっては十分に行われている内容だろう。だが、加算要件となれば、病院側に求められる対応も厳格化される可能性がある。
 なお、⑦だが、現行の「退院支援加算(改定後は「入退院支援加算」)」の要件にもなっている。その「退院困難な要因」の中身に、今回は追加がなされている点にも注意したい。
 これまでは、悪性腫瘍や認知症である場合、あるいは緊急入院であること、(高齢者の場合は)要介護認定が未申請であることなどが対象となっていた。ここに、「(家族による)虐待を受けている、またはその疑いがあること」や「医療保険未加入者または生活困窮者であること」が加わった。つまり、患者の世帯事情などにもスポットが当たったことになる。となれば、患者側の生活・世帯事情をよく知る者の存在がカギとなる。たとえば、患者が要介護高齢者なら、担当ケアマネジャー(以下、ケアマネ)ということになるだろう。
 ちなみに、ケアマネ側には、本人の入院時に病院側へ情報提供を行った場合に、介護報酬による「入院時情報連携加算」が発生する。この加算について、2018年度の介護報酬改定で一部見直しが行われ、「入院時から情報提供までの日数が早いほど(3日以内か、7日以内か)高単位が算定できる」となった。ケアマネ側のこの加算と、病院側の「入院時支援」がうまくかみ合うかどうかが、実際の制度運営のポイントとなってきそうだ。

参考:中央社会保険医療協議会総会(第389回) 個別改定項目について(厚生労働省HP)


(田中 元 介護福祉ジャーナリスト)
2018.2.22
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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