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賃金に関する基本ルール、ご存じですか?

賃金に関する基本ルール、ご存じですか?

あいまいな知識はトラブルのもと

 賃金の定期昇給やベア(ベースアップ)、ボーナスの支給額についての調査データがニュースで取り上げられることは多い。業界別に発表されるものもあり、このようなデータを参考にしている中小企業は意外と多い。
 一方で働く人にとっては、賃金は大事な労働条件であり、どのようなルールに基づいて支払われているのか関心が高いのではないだろうか。今回は、経営者及び労働者が知っておきたい賃金に関する基本ルールについてその一部をお伝えする。
 最近では労働者も労働条件に関する法律に詳しくなっており、中小企業経営者もあいまいな知識のままだとトラブルになる可能性が高いので、基本的なことは押さえておきたい。

女性であることを理由とした差別は禁止

 まず賃金の内容については、労働基準法では一定の規制を設けている。国籍、信条または社会的身分を理由とした差別的取り扱いや、労働者が女性であることを理由とした、男性との差別的取り扱いを禁じている。例えば同じ新卒社員でも外国人ということを理由に賃金に格差を設けることや、同じ学歴なのに女性という理由で男性と初任給が違うというようなケースは労働基準法違反になる。もちろん、性別により異なる賃金表を設けること、住宅手当を男性のみに支給するというのも同様に違反となる。
 また、最低賃金法の規定により国が賃金の最低額を定めており、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないという「最低賃金制度」というものがある。都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があり、これらを遵守しなければならないのはいうまでもない。なお、両方の最低賃金が同時に適用される労働者に対して使用者は、高いほうの最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。

使用者に責任がある休業は「6割以上」の手当

 雇用契約における賃金支払いの原則は「ノーワーク・ノーペイ」である。つまり、労働者から使用者に対して労働力の提供がないのであれば、会社側に賃金の支払い義務は当然ないわけだが、それでは状況によっては労働者側が生活に困ってしまうケースもある。
 そこで労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は休業期間中、当該労働者に対し、その平均賃金の6割以上の手当を支払わなければならない」と規定し、使用者には休業手当の支払い義務があることを定めている。
 使用者の責に帰すべき事由とは、例えば事業の業績悪化に伴う生産調整、工場の設備が故障して工場が稼働できない場合等があげられる。

自然災害による不就労は控除対象?

 では、大雪や台風などの自然災害の影響で電車が動いていないため出社できない、出社したけれど停電になってしまった、このような仕事ができないケースはどうなのだろうか。この場合は使用者の責任ではないので、「ノーワーク・ノーペイ」の原則に準拠することになる。すなわち交通障害によって就労できない場合、当然、使用者の責任ではないので本来であれば欠勤控除、または遅刻した時間分については賃金を控除するのが法律的には正しい。
 しかしながら、多くの会社はそのようなケースでは賃金控除はしない。ただし、条件として鉄道会社の遅延証明書を提出させて、会社が承認した場合は免除としているところが一般的なようだ。そのような運用は会社が温情的な取り扱いをしているだけである。ただし、会社によっては就業規則に天変地異による交通遮断休暇についての定めがあり、有給休暇扱いとしている場合もあるのでそこは事前に確認しておきたい。


(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長)
2018.2.19
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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