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厚労省のモデル就業規則が副業容認に改定

厚労省のモデル就業規則が副業容認に改定

副業を容認している企業は約2割

 終身雇用制度が崩壊して、新卒から定年まで一社だけで働くというスタイルは、大きく変わりつつある。人材は流動化し、転職も当たり前の時代になってきているが、政府は働き方改革の一環として正社員の副業・兼業の解禁を強く推進している。しかし、現実としては多くの企業が副業・兼業を認めていない。それは社員が副業・兼業することで長時間労働や過重労働になったり、情報漏えいリスクが発生することなどを企業側が懸念しているからである。
 (株)リクルートキャリアが独立・開業をサポートするサービス「アントレ」において実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査」(2017年2月14日発表)によると、実際に副業・兼業が容認されている企業は全体の22.9%に留まっている。副業・兼業を禁止しているところがほとんどだ(一部は許可制としているところもあるだろう)。
 政府もこのような事実を受け止めて副業・兼業を促進するための議論を重ね、2017年11月には厚生労働省が「第4回柔軟な働き方に関する検討会」の資料「モデル就業規則の改定の方向性(副業・兼業部分)」で、副業・兼業を容認する就業規則改定のモデルを発表している。このくらい大胆に変えていかなければ大手企業をはじめとする企業側もなかなか方針を変えないし、根拠となるものがあれば政府の考え方に従う企業も増えてくると思われる。副業・兼業の解禁には慎重な姿勢を示す企業も多いので、従業員側が勇み足をしてトラブルにならないよう副業・兼業に関する自社のスタンスを早めに発表する必要がある。

 

副業・兼業を容認する就業規則の規定例(厚生労働省資料より)

モデル就業規則の改定の方向性(副業・兼業部分)

 

 
労働者の遵守事項における副業・兼業に関する規定(「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」)を削除のうえ、以下の規定を新設する。

 

 

改定案

 

(副業・兼業)

 

 

第65条
 
労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

 

 

 
労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

 

 

 
第1項の業務が第11条第1号から第5号に該当する場合は、会社は、これを禁止又は制限することができる。

 

 

 

 

 

(遵守事項)

第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。

 
許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。

 

 
職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受ける等不正な行為を行わないこと。

 

 
勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。

 

 
会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。

 

 
在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないこと。

 

 

(後略)

 

 

 


副業・兼業解禁は長時間労働助長の懸念も

 そもそも大前提として理解しておかなければならないのは、裁判例でも明らかになっているように労働者が契約している労働時間以外をどのように利用するかは基本的に従業員の自由である。企業側がそれを制限することが許されるのは本業の労働に支障となる場合、企業秘密が漏えいする場合、信頼関係が破壊する場合、競業に該当する場合などに限られている。
 従業員自身も自分の会社のルールについて理解しておらず、「副業解禁」「副業容認へ」というメディア報道を勘違いしている可能性もあるので注意が必要だ。
 実際に副業・兼業を希望する者は年々増加傾向にあり、すでに会社に黙ってオフィスのパソコンを使って副業等をやっている人も中にはいるだろう。副業といってもその幅は広く多様な働き方が想定されるので、会社側もその仕事内容などを把握する方法も考えておかなければならない。副業解禁の流れは加速していくと思われるが、長時間労働の懸念や労働時間管理ができないという難しい問題が残っている。どのように対応するかは各企業の努力だけでなく政府の支援も求められることになるだろう。

参照:厚生労働省「第4回柔軟な働き方に関する検討会」




(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長)
2018.1.29
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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