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会計検査院、小規模宅地等の特例や事業承継税制等を指摘

会計検査院、小規模宅地等の特例や事業承継税制等を指摘

小規模宅地、適用後短期間での譲渡が多数

 会計検査院はこのほど、相続税関係の租税特別措置の適用状況等についての報告書を公表した。その中で、小規模宅地等の特例や農地等の相続税の納税猶予、非上場株式等についての相続税・贈与税についての納税猶予及び免税(事業承継税制)の適用状況を調査した結果、相続税軽減措置に係る減収見込額が多額にのぼっていることを踏まえ、政策目的に沿っていない状況が見受けられると指摘し、その改善を求めている。
 小規模宅地等の特例は、事業用・居住用宅地等の相続税の課税価格を軽減して相続人の事業や居住の継続等への配慮を目的に創設された制度だが、その適用後短期間での譲渡が多数あったことから政策目的に沿ったものとなっていないと指摘。検査院は、相続により取得した土地等の財産を相続税の申告期限(相続開始日の翌日から10ヵ月)の翌日以後3年を経過するまでに譲渡していた2,907人について適用状況を調査した。
 その結果、2,907人のうち243人が小規模宅地等の特例を適用しており、その243人が譲渡した土地等273件の申告期限の翌日から譲渡までの期間を確認したところ、相続人が相続税の申告期限の翌日から1年以内に譲渡していたものが約6割の163件(うち貸付事業用宅地等は110件)、1ヵ月以内に譲渡していたものも22件(同13件)あったことが分かった。これらは、事業・居住の継続への配慮という政策目的に沿っていないと指摘した。

農業相続人の7割が20年10ヵ月を上回る

 農地等の相続税の納税猶予については、農業経営を20年継続すれば猶予されていた相続税額が免除されるが、三大都市圏特定市以外の市街化区域内にある農地等のみを相続した農業相続人195人については、2012年簡易生命表から平均余命を機械的に試算したところ、20年10ヵ月を上回る者が138人と約7割を占めた。
 これらの者は、相続税を納付することなく特定農地等の譲渡等が可能になることが見込まれる状況となっていたとしている。

必要最小限のものになっていない事業承継税制

 事業承継税制について検査院は、贈与承継会社153件及び承継会社237件について適用状況を調査。同税制の対象となる中小企業者は資本金の額が業種別に定められた一定金額以下などが要件だが、株式会社は特別決議により資本金の額を減少させ、資本準備金の額とすることができる。調査の結果、資本金額に対して多額の資本剰余金額を計上している会社等も見受けられ、最大で資本金の約885倍の資本剰余金が計上されていた。
 また、同税制は、事業実態がなく単に資産を管理している会社を対象外とするなどのために、資産保有型会社等に該当しないことも要件だが、66社は従業員数が5人以上などの要件を満たすことから、事業実態がある資産保有型会社として、事業実態に係る資産のみでなく、全ての資産の価額を対象に納税猶予税額を計算し、事業承継税制が適用されていた。このように、政策目的に照らし、必ずしも必要最小限のものになっていないと指摘した。

参考:会計検査院「租税特別措置(相続税関係)の適用状況等についての報告書(要旨)」(平成29年11月)


(浅野 宗玄 株式会社タックス・コム代表取締役 税金ジャーナリスト)
2017.12.18
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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