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職場によって扱い異なる「たばこ休憩」

職場によって扱い異なる「たばこ休憩」

非喫煙者の不満は多い

 禁煙・分煙マナーが定着した昨今、喫煙できる場所が少なくなって肩身の狭い思いをしている愛煙家は多いことと思われる。日本たばこ産業の調査によると、2017年の男性の喫煙率は28.2%、女性は9.0%。前年と比較して1.5ポイント、0.7ポイントそれぞれ減っており、まさに喫煙者は少数派となっている。
 非喫煙者から、仕事時間中の「たばこ休憩」は不公平との声が増えている。さらに、多くのオフィスでは離れた場所に喫煙所を設置しているため、「喫煙中の人に来客や急ぎの電話があると、わざわざ仕事の手を止めて喫煙所まで呼びに行かなければならない」というように、業務への悪影響まで指摘されている。
 たばこ休憩のあり方は、従業員のモチベーションや生産性にも大きく影響するので看過できないが、簡単に解決できる問題ではない。実際、企業の対応方法もさまざまであり、休憩時間中も含め全面禁煙とした企業や自治体がある一方で、特にたばこ休憩についてのルールを設けていない職場もまだまだ多い。

「スモ休」制度で解決

 ダイレクトマーケティングコンサルティング事業などを手がけるピアラでは、たばこを吸わない社員を対象に「スモ休」を2017年9月から導入、喫煙者と非喫煙者の労働時間の不公平感の解消を図る制度としてマスコミ各社から多数取り上げられた。スモ休は、非喫煙者に対し1年あたり最大6日(1カ月あたり0.5日分)の特別有給休暇を与える制度。喫煙するかしないかは、自己申告によるものでこれを機会に禁煙する人もいたとのこと。
 社員から「たばこを吸うために1日数回業務を離れることで、吸わない社員の業務時間との差は問題ではないか?」という疑問の声が社内目安箱制度に寄せられたことがきっかけで、不公平感を是正するためにスモ休を導入。喫煙者に制限をかけるのではなく、非喫煙者にメリットを与えるという逆転の発想で問題を解決している。

たばこ休憩なし、喫煙自体なしというところも

 その一方で、就業時間中は全面喫煙禁止にしているところや、そもそも喫煙者は採用しないところもある。このようなルールを定めることについて何ら問題はない。
 例えば横浜市の場合、昨年3月に開かれた横浜市会予算特別委員会局別審査で市職員が勤務中に喫煙するとどのくらいの賃金ロスになるか試算を発表している。仮に約4,000人の市職員が1日約35分のたばこ休憩をとると、各々年間19日も休んだことになり、約15億4,000万円の損失になるとしており、就業時間中の喫煙を禁止する理由を明確にしている。また、ワシントン靴店や星野リゾートなどは、自社ホームページで喫煙者は採用しないことを表明している。採用の自由は企業にあるので、喫煙者を採用しないというのも経営戦略の1つである。
 そこまで厳格にはしない方法もある。たばこ休憩の時間は必要最低限度ということで、制限をかける方法だ。例えば午前1回、午後1回それぞれ10分以内(1日あたり20分以内)と就業規則に規定してルール化する。もちろん回数や時間は各社の状況に合わせて対応すればよいが、あまり長い時間では非喫煙者から反発が起きかねないので適切な範囲にする必要がある。
 いずれにしてもいきなりルールを変えるのではなく、働き方改革を推進していく中で受動喫煙の問題、本人の健康面への配慮、労働生産性の問題、非喫煙者の抱く不公平感の解消など多面的に検討し、たばこ休憩への適切な対応をとることが望ましいといえる。

参照:日本たばこ産業「2017年『全国たばこ喫煙者率調査』、男女計で18.2%」

 

(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長)

2017.12.18
(出典:FPS-net http://www.fps-net.com/

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